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2022年M-1王者に輝いたのは「ウエストランド」芸歴や優勝までの道のり

2022年M-1王者に輝いたのは「ウエストランド」芸歴や優勝までの道のり

2022年の年末も、お笑い界では熱い戦いが繰り広げられていました。冬の名物、M1グランプリです。日本一の漫才師を決める、お笑い界頂点の舞台・M1グランプリで2022年のトップに君臨したのは、結成14年目・ウエストランド。ボケの一言をトリガーに、ネタの9割をノンストップなツッコミが占めるという激しいぼやき漫才を売りに、本大会のファイナルステージでは全7票のうち6票を獲得。見事優勝するという快挙を成し遂げました。そんなウエストランドがお笑い界の頂点に立つ今日まで、様々な苦悩や世間の厳しい声に揉まれてきた2人。その経歴やエピソードについてまとめました。

悲願のM1優勝!ウエストランドってどんなコンビ?

2008年に結成したウエストランドは、2020年に初めてM1グランプリの決勝に進出。わずか2年後には、その王者という称号を手中に収めることになりました。温厚なボケに激しいツッコミは、一度見たら忘れない!そんなコンビについて見ていきましょう。

河本 太

  • 生年月日:1984年1月25日
  • 年齢:38歳
  • 出身地:岡山県
  • 趣味:登山、キャンプ

お化け、蜂、ジェットコースターが苦手な穏やか系、ボケの河本さん。M1の頂点に立ったコンビの1人ではあるものの、練習もしない上に言い訳ばかりするマイペースな一面があることでも有名です。私生活では2人姉妹のお父さんで、芸人とアルバイトを兼務していることから、相方の井口さんよりも安定した収入があるのだそうですよ。

井口 浩之

  • 生年月日:1983年5月6日
  • 年齢:39歳
  • 出身地:岡山県
  • 趣味:お酒

毒吐き芸人として有名なツッコミの井口さんは、中高生時代から「ツッコミの井口」と呼ばれるほど、当時からお笑い芸人の素質を持ち合わせた人物だったそう。相方の河本さんのマイペースぶりに不満をこぼすことが多い印象ですが、河本さんは「本当は温厚な一面もある。裏では一度も怒られたことがない」と暴露しています。

タイタン初の快挙!毒舌漫才で勝ち取った優勝

ウエストランドの漫才は、世間では賛否が大きく分かれるジャンルでもあります。はっきり言うと、「人を傷つけるお笑い」だからです。デリケートなこのご時世にはなかなか受け入れられない方向性ですが、そんな毒舌漫才で優勝を勝ち取ったウエストランド。この快挙には、SNSでも様々な意見が寄せられました。

大御所芸人からは歓迎の言葉が

ウエストランドの毒舌漫才は、審査員席に座る大御所の先輩芸人に大ウケ。ダウンタウン松本人志さんは「こんな窮屈な時代だが、キャラクターとテクニックがあればこんな毒舌漫才も受け入れられるという夢を感じた」と話し、立川志らくさんは「今の時代は人を傷つけるなと言われるが、あなた方がスターになってくれたら時代は変わる。毒があるから面白いんだ」とエールを送りました。

ウエストランドは『裸の王様』だから面白い

『裸の王様』という童話をご存知でしょうか。ウエストランドの毒舌漫才は、この有名な童話に通ずるものがあります。強い者が何かおかしなことをしていて、それを弱い者がこきおろす。それは誰もが感じていたけれど、その誰もが怖くて言葉にできなかったことなのだとしたら、それを風刺した「弱い者」は悪ではない、という考え方です。ウエストランドの漫才は、アイドルや有名人など、世の中ではメジャーで人気な立場の人たちを、若手漫才師という弱者が皮肉ることで面白さを見出せます。まさに『裸の王様』に出てくる、王様をこきおろす子どもたちの役目を担っているからこそ、世間にも受け入れられるのかもしれません。

下積み時代の生活からヒントを得た今の芸風

そんなウエストランドの“毒舌”をテーマにした芸風が誕生したきっかけは、ブレイク前の下積み時代にまで遡ります。当時は風呂なしアパートに住みながら、オーディションを受け続ける日々を過ごしていたそう。自身の見た目やモテないエピソードを自虐しているうち、他人のせいにし始めると、少しずつ笑いが取れるようになっていったといいます。そこから現在の「愚痴漫才」が生まれたのだそう!

愚痴ばかりなのに炎上しない理由とは

ウエストランドの愚痴漫才には批判的な声もありますが、総合的に受け入れられている印象がありますよね。実際にM1グランプリで優勝するほど評価もされています。その秘密について、漫才の中でまくし立てるように愚痴を言い続けている井口さんはこう語ります。「つまりは、大したこと言ってないんですよ。”またあいつが何か言ってる”と思われる程度だと思う。漫才で愚痴を言うときは、必ず”下の立場から、ひがむように”言うようにしている」

感情的になっているようにも見えるウエストランドの愚痴漫才には、こんなテクニックが隠されていたのですね。

まとめ

昨今では、「ミルクボーイ」や「ぺこぱ」など人を傷つけないお笑いが主流になり始め、激しいツッコミや頭をはたくことすらやりづらい風潮が見えていました。そんな中、堂々と攻撃的な芸風で乗り込んできたウエストランドの勢いに、かつてのお笑い文化が呼び覚まされていくのでしょうか。断続的にやって来るお笑いブームが、ウエストランドの参入でどういう方向へ向かっていくのか、注目されますね。