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2019年4月19日、東京都の小池百合子知事がバンクシーの作品と見られる絵を都庁で公開すると発表しました。

2019年の1月に都が所有している防潮扉にネズミの絵が書かれていることが大きな話題となりました。

都はこの報道を受けて防潮扉し、本人の絵かどうかの検証に入っていました。

バンクシーの絵と見られるこの作品は、2019年4月25日から5月8日までのゴールデンウィーク期間に新宿区の都庁第一本庁舎2階で公開されます。

世界的アーティストの落書きの公開に期待の声が上がる一方で「そもそも落書きって違法じゃないの?」「なんでバンクシーだからと許されるの?」という批判的な声も上がっています。

そこで今回は、バンクシーの落書きについて、落書きがどんな罪に問われるのか、なぜバンクシーの落書きだからと保護されるのかについて調べてみたいと思います。

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バンクシーの落書きって違法じゃないの?

都所有の防潮扉に描かれた、一匹のネズミの絵。

イギリスの正体不明の芸術家・バンクシーの作品と見られています。

バンクシー,東京都,画像

東京都はこの絵を保護し、ゴールデンウィークに都庁で公開することを発表しました。

ですが、冷静に考えてみると、この絵って”落書き”なんですよね。

自分の所有しているもの以外に落書きをすることは、法律で禁止されているはず。

ここでは、落書きがどんな罪に問われるかどうかを紹介させていただきます。

落書きは法律や条例違反となる

他人の所有している物に落書きする行為は、犯罪に問われる可能性があります。

ここでは、落書きで逮捕された時に、どんな罪に問われるのか、どんな罰則があるのかどうかを紹介させていただきます。

違反内容 罰金刑 事例
器物損壊罪 3年以下の懲役または30万円以下の罰金 他人の所有する物に故意に落書きをした場合など
建造物損壊罪 5年以下の懲役 建物に落書きしてこれを汚損させた場合
軽犯罪法違反 拘留または1万円以下の罰金 清掃で比較的簡単に落とせる落書きなど、悪質度が低い場合など
迷惑防止条例違反 5万円以下の罰金 落書きが各都道府県や市区町村で迷惑防止条例として定められている場合
文化財保護法違反 5年以下の懲役または30万円以下の罰金 神社や城など、国の文化財に指定されているものに落書きした場合

(引用:落書きで逮捕された場合の罪とは|知っておくべき逮捕後の流れと対処法

ケースとして多いのは、上の二つでしょう。

建物かどうかで分かれて来るところですが、もう一つポイントがあります。

それは、器物損壊罪は親告罪で、建造物損壊罪は非親告罪であること。

親告罪は、所有者など告訴権を持つ人からの刑事告訴がなければ刑事事件に発展することはありません。

しかし、非親告罪は告訴権を持たない人からの告発や通報でも逮捕される可能性があります。

このように、告訴されるかどうかで事件に発展しない場合もあります。

しかし…基本的に落書きは違法です。

間違っても「第2のバンクシー」を目指すことのないようにしましょう。

バンクシーはどんな罪に問われるのか?

迷惑防止条例,落書き,画像

では、バンクシーの落書きはどんな罪に問われるのでしょうか?

上の違反内容に当てはめると、バンクシーの場合は防潮扉への落書きなので、器物損壊罪になると考えられます。

また、都の迷惑防止条例違反の要素もあるでしょう。

ですが、先にもある通り器物損壊罪は親告罪ですので、所有者である都が訴えるかどうかに委ねられると言えます。

なぜバンクシーだけが許されるの?

ここまでの落書きについての違反内容をみると、2つのポイントからバンクシーは逮捕されない可能性が高いと言えます。

ここでは、なぜバンクシーの落書きが許されるのかを解説していきたいと思います。

器物損壊に当たるかどうか

器物損壊罪,建造物損壊罪,画像

1つ目は「器物損壊」に当たるかどうかがグレーということ。

「器物損壊」という言葉を掘り下げると「物の効用を失わせて使えなくする行為、あるいはその物の価値を下げる行為」とされています。

なので、バンクシーの落書きでこれらがどこまで失われたのかが焦点となります。

落書きでは防潮扉の効用はなくなりませんし、使えなくなることもありません。

そして、物の価値についてですが、これは世界的有名アーティストの落書きということで、売れば高値がついたり見物のための観光客が増える可能性があるので、むしろ増えると考えられますね。

ですので、バンクシーという超有名アーティストの落書きになると「器物損壊」に当たるかが難しくなって来るのです。

親告罪であること

2つ目は、先ほどにも出てきた「親告罪」であること。

防潮扉は東京都の所有物です。

ですので、東京都からの刑事告訴がなければ刑事事件に発展することはありません。

もしバンクシーを告訴したとなれば、東京都は世界中のファンからバッシングを受けることでしょう。

それならば、公開して観光地化した方が東京都の知名度も上がり、経済的にもメリットがあると判断するのが妥当でしょう。

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ですが、日本人の国民性などを考えると、一時的な盛り上がりよりも一般人との落書きの対処の差へのバッシングの方が大きいと思います。

この落書き公開は賛否を呼びそうですね。

本人が書いたという保証はない

バンクシーの落書きは、東京都の総合的な判断から保護・公開に至りました。

ただ、ここで一つ大事なことをお伝えしておきます。

この落書き…本人が書いたという保証はどこにもありません!!

バンクシーの落書きは、あらかじめステンシルという型を用意してスプレーをかける方法が用いられています。

言わば、誰でもできる方法です。

最近では、ネットで800円程度でバンクシー風のテンプレートも販売されています。

ですので、今回見つかった絵がバンクシー本人の物である可能性は今のところ半々。

調査を続けると、バンクシーの公式に今回の落書きと似たような画像がありました。

今回の反転バージョンだったので、公式サイトの絵を反転させて比べてみましょう。

バンクシー,東京都,画像,

う〜ん…偽物じゃない?(笑)

明らかに東京都で見つかった落書きの方が、細部の縁取りや色のつけ方が雑ですよね。

天気など何らかの形で劣化してしまった可能性もありますが、ネズミの尻尾のラインやアゴの辺りの毛の細かさが全然違うように見えます。

わざわざ同じようなステンシルを自分で作るのも考えにくいし、同じようなものを作ったならばここまでクオリティに差が出るのも不自然。

そうなると、誰かが真似をしたという可能性が一番高いのではないかと言えます。

東京都は、誰が書いたかもわからない落書きを保護・公開するということですね…

世間の反応は

本来ならば犯罪のはずのバンクシーの落書き。

本物なのかも怪しい作品を公開するにあたり、世間からは批判的な声が集まっています

私自身はバンクシーのすごさがイマイチ分からないので、やっぱりおかしいんじゃないかと思います。

自分の家に書かれたら訴えずに売るだろうけど(笑)

やっぱり東京都ぐらいになってしまったら、目先の利益よりも自分たちの目指す方向性との矛盾がないかどうかを優先した方が良いのではないかと思いますね。

展示をするとなったら、当然警備員や展示場所の設営等の費用は税金からの支出となりますから。

落書きが公開されたら一時的に観光客は増えるかもしれませんが、批判の声を考えると割りに合わないのではないかなあと思います。

バンクシー,東京都,画像,

まとめ

東京都がバンクシーの落書きを保護し、公開することに関して、犯罪となる可能性や世間の反応をまとめてみました。

告訴が東京都の判断に委ねられるということで、バンクシーが罰せられる可能性は低そうです。

しかしながら、世間の反応を見ると「これが一般人だったら罪になるのに…」という批判的な声が多めの様子。

落書きの保護や展示場所の設営等に当たる資金は、当然税金から支出されます。

都知事には、納得のいく説明をしてほしいものです。

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