夏は食欲も落ちがち。お肉など栄養価の高いものを摂取して、健康的に過ごしたいですね。しかし、そんな夏にもう1つ気を付けたいのが、食中毒。高温多湿な日本では、夏に食べ物が腐りやすく、様々な菌が繫殖するといわれています。特に加熱せずに食べるものには要注意!今日は、食中毒の危険性がある生食をまとめてみたいと思います。サクッと知識をつけて、夏に備えましょう!
食中毒に気をつけたい生食
ローストビーフ
ローストビーフで起こす可能性のある食中毒は、O-157(腸管出血性大腸菌)です。
もともと牛肉の表面についている可能性の高い菌で、ローストビーフ 生焼けだったり、だったり、加熱温度や時間が十分でない場合に、殺菌しきれず口に入ってしまうのです。
【O-157(腸管出血性大腸菌)食中毒の特徴】
- 潜伏期間が3~8日と長い
- 下痢、腹痛、嘔吐、発熱など
- 免疫力の弱い人は、神経障害や腎機能にも影響を及ぼす可能性
- 無症状のケースもある
鳥刺し
鳥刺しなど、生食または加熱不十分な鶏肉料理で懸念される菌は、カンピロバクターです。
主に鳥や牛、豚などの腸管内に繁殖する菌で、中でも多いのが鶏肉だそう。霜降りやたたきなど、少々の熱を加えたものは菌が生き残っているケースが多く、食中毒を引き起こしやすいといわれています。
【カンピロバクター食中毒の特徴】
- 潜伏期間は平均して3日ほど
- 下痢、腹痛、発熱、嘔吐、頭痛、倦怠感など
- 後遺症としてギランバレー症候群を発症する可能性
- 気をつけたいメニューは鶏レバ刺、鶏肉ユッケ、地鶏のたたき、加熱不十分な焼き鳥など
ユッケ
2011年に5人の尊い命が奪われた、焼肉チェーン店のユッケ食中毒事件。O-157およびO-111が広域に発生し、総患者数は100名を超えたといわれています。この事件を受けて国は、生食用の食肉の規格基準を厳格化するも、飲食店での生食提供はしばらく続いていました。それ以降も、ユッケによる食中毒で集中治療室に入ったり、何年も体のけいれん症状に悩まされるという後遺症に苦しむ人もいたそう。
生卵
私たちの身近にもある食材・生卵。生卵による食中毒は、サルモネラ食中毒があります。
自然界に広く分布しており、家畜はもちろん犬猫などのペットも保有している菌です。生肉からも検出されますが、生肉よりも口にする頻度が高い生卵からも発症する可能性があるので、特に気をつけたい食中毒なんです。
【サルモネラ食中毒の特徴】
- 腹痛(おへそ周辺)、下痢、吐き気、発熱
- ほとんどの場合、点滴や抗生物質で治る
- 自家製マヨネーズやティラミス、ババロアなど、加熱不十分になる可能性のあるメニューは注意が必要
刺身
日本人にとって身近な料理でもある、刺身や寿司。生魚を使用するので、アニサキス食中毒の恐れがあります。
アニサキスの幼虫は魚介類の内臓に寄生し、その魚介が死ぬと、筋肉に移動します。そのため、内臓を処理したとしても身に残っている可能性があるのです。言うまでもなく、魚介類の内臓を生で食べるのはやめましょう。
【アニサキス食中毒の特徴】
- 激しい腹痛(みぞおち周辺)、嘔吐、アナフィラキシーショックの可能性も
- 一年中発生する可能性のある菌で、常に食材の徹底的な管理が必要
まとめ
私たちの身近にある生食の中に、最悪の事態をも引き起こす菌が存在していることが分かりました。最近、国が規格基準を見直したのは生肉のみ。刺身や寿司は変わらず提供されていますし、生卵をご飯にかける手軽な食事を楽しむ人も多いでしょう。特に夏場は、常温や高温の場所に出しっぱなしにせず、冷蔵庫や冷凍庫を活用し、しっかりと管理をすることが求められます。高温多湿な日本の夏は、食べ物が腐りやすい危険な季節でもあります。コロナも明けて、夏祭りなどで色んな食べ物を口にすることも多いでしょう。しっかり加熱されているか注意して、夏のイベントを楽しみましょう!