アメリカ、フロリダ州に上陸した巨大ハリケーン「イアン」の目を人工衛星が撮影に成功したことが最近ニュースで話題になりました。さて、人工衛星はなんとなく宇宙にあるもの、宇宙から地球を守ってくれている存在、のような漠然としたイメージは湧くかと思いますが、実際に何なのか、どんな役割を果たすのか、答えられる人はそこまでいないかもしれません。今回は、そんな今更聞けない人工衛星について解説します。
人工衛星とは?
惑星、主に地球の周り(地球の軌道上)を公転している、人間によって打ち上げられた具体的な目的を持つ人口天体のことを指します。目的を持たない使用済みのロケットや、人工衛星の部品や破片は宇宙ゴミ(スペースデブリ)と呼ばれます。
なぜ落ちないのか?
バッテリー、信号発信部となるマルチプレクサ、太陽電池セル、通信機、GPS受信機、燃料タンク、各種センサ、各種増幅器、DC/DCコンバータなどたくさんの部品を積んでいる人工衛星。人工衛星の大きさはさまざまですが、大きいものだと9000キロにもなります。そんな重いものが、なぜ地面に落ちることなく、回り続けられるのでしょうか。
人工衛星は地球に対して水平方向に飛んでいて、地球の重力によって向心力を受け、進行方向を変えられることにより円を描いて地球の周りを公転しています。なので、人工衛星が地球に向けて落ち続けているにも関わらず、重力により、実際に地球に落ちてしまうということはないのです。
どんなことに役に立つ?
人工衛星は、地球を宇宙から観測し、陸や海の観測を行うことによって、自然災害や温暖化などの解決への手助け、他にも衛星システムの実現に向けた取り組みをします。簡単に言えば、宇宙から地球を見守ってくれているのです。
これまでに開発され運用が終了したもの、開発段階のもの、運用中のものなどたくさんの人工衛星があります。
現在では、衛星を用いてテレビや電話が通信され、国際電話や電波の届きにくい場所でのテレビ放送、他にもパイロットへ位置情報をお知らせする、天気予報、ロボット技術の開発などさまざまな分野で人工衛星は活用されています。